2017年08月31日

犬に “しつけ” をする、という考えは、もうやめましょう!!

よくできました・・。

子犬を飼うと、いろんな人から、「“しつけ”しないといけないよ!」なんて言われ、「お座り」、「待て・お預け」、「お手」など、これが犬の“しつけ”と信じ、一方的に命令し、従わせようとします。
しかし、“幸せ”や“癒し”のために飼われる犬に、“しつけ”と称し、一方的な命令で、服従させようとするのは、どこか違和感を覚えます。

実際の例ですが、ある家庭では、飼われた犬が数年後には、みんな噛みつくようになってしまいます。しかも、大人しく性格の良い子犬を飼っても、結果は同じです。
その飼い主の“しつけ”に対する意識は高く、厳格(?)で、声を張り上げ、命令する場面をよく目にします。
正直言って、ちょっと違和感を覚えることもありますが、一方的に犬の行為や気持ちを命令によって変えようとしているのではないでしょうか。
その飼い主は、気分によってその態度が変わることもあり、一貫性を欠いています。また、犬の行為に対し、注意すべきところと、褒めるべきところ、そして、そのタイミングが少しずつずれていて、犬にしてみれば、飼い主の要求が分かり難く、戸惑っている様子です。しかし、それに気づかない飼い主は、思いどおりにならない犬の態度に、より強く命令し、強要しますが、犬は困惑し、怯え、時には、パニックに陥り、自己防衛のためでしょう、抵抗する素振りさえ見せます。
このような事態が続けば、飼い主への信頼は薄れ、時とともに噛みつくような犬になっても仕方ありません。
犬の気持ちを理解せず、一方的に命令に従わせようと“しつけ”る方法は、あまり良い結果を産まないということではないでしょうか。

一方、ある家庭で飼われる犬は、どの子も聞き分けが良く、誰からも愛される子に育ちます。
その飼い主は、とても喜怒哀楽のはっきりした性格ですが、“しつけ”については、無関心で、そのためでしょう、オヤツをいっぱい与えたりして、どの子も太らせてしまいます。それが唯一、問題といえば問題なのですが、飼い主の愛情の深さを示しているのかもしれません。
犬は人の気持ちを感じ取り、それに共感します。犬が目の前で嫌なことをした時は、人が、すぐさま、嫌な気分を態度で見せれば良いのです。犬は、それを敏感に感じ取り、ネガティブな気持ちになります。「もうやるの、止めよう!」と考えるのかもしれません。
また、人にとって喜ばしいことを犬がした時は、人がその嬉しさを素直に表現すれば良いのです。その犬は人が喜ぶ姿を見て、ポジティブな気分になり、再び、人が喜んでくれることをしようとします。
このように、犬は、飼い主の気持ちを汲んで行動に反映し、飼い主とより適切な関係を維持しようとします。犬は、人との相互コミュニケーションを非常に大切にする動物なのです。
こうして犬は、人と仲良く、互いの意図を汲み取り、適切な関係でいたいと望んでいるものなのです。

犬と暮らすということにつきましては、まだまだ多くのことを、知ってもらいたいと思いますが、次回の「得する街のゼミナール」(まちゼミ)では「お利口な犬の育て方、教えます」という題で、詳しくお話しする予定ですので、興味ある方は、ぜひ、ご参加下さい。

【参考】
「得する街のゼミナール」(まちゼミ)

(テーマ) “お利口な犬の育て方”教えます
(日 時】 9月10日( 日) 13時30分~15時30分
(場 所) 岡崎市民会館 集会室中会議室A
(定 員) 20名
 ※参加を希望される方は、0564-45-1611(宇野獣医科病院)の方まで、電話にてお申し込み下さい。参加費は無料です。